子ども幼児期&児童期の体力テスト&生活調査

子どもの体力・運動能力の向上の意義と新体力テストの活用

運動習慣と生活習慣の改善を通して、体力・運動能力の向上を実現する

全国体力・運動能力、運動習慣等調査(以下、全国体力調査)は、平成10年から実施されている「新体力テスト」を用いて子どもの体力の状況を把握するとともに、日常生活における運動習慣及び基本的な生活習慣などの状況を把握し、その改善を通して、体力・運動能力を向上させることを目的としている。子どもの体力・運動能力の向上の目標は、子どもの体力が過去において最も高かった「昭和60年頃の体力・運動能力水準」に回復させ、さらに上回る水準に到達させることである。そのためには、日常生活における運動習慣と生活習慣の改善をさらに促進させることが必要となる。

生活習慣の改善は、健康の三原則である「運動・食事・休養(睡眠)」を中心とした生活習慣を見直すことである。また、運動習慣の改善は、運動やスポーツを実践することを中心として「運動時間を増大すること」である。そして、家庭においても「スポーツをすること」「スポーツを見る(観る)こと」や「スポーツについて話すこと」を生活の中に取り込み、「日常化」を促進することである。

幼児期〜児童期における体力・運動能力水準の向上は、昭和60年以降の子どもの体力・運動能力低下問題を解決するだけに留まらず、生涯における体力・運動能力の維持増進や、自立した活動的な生活を可能にすることとなる。

運動習慣と生活習慣の改善を通した体力・運動能力向上のための取組は、極めて重要な役割を果たすと言える。

一般社団法人WSSA―JAPAN  理事長 澤田康徳

説明書(調査参加者に対する情報提供)

調査参加者 殿

調査の内容および調査に基づく研究について、以下の通り説明します。

1. 研究課題名

幼児および保護者の生活習慣・身体状況と幼児の体力・運動能力との関連

2. 研究目的および内容

本研究では、幼児と保護者の生活・身体状況を知るためにアンケート調査を、幼児の体力や日中の元気さをみるために体力・運動能力測定を実施して、総合的に子どもたちの抱える健康管理上の問題点を分析します。そして、健康生活のための保育や育児への提案を目指します。

3. 調査方法および所要時間

アンケート調査はオンラインで行い、回答の所要時間は、10〜15分程度に収まるよう質問項目を限定します。
幼児の体力・運動能力測定は、対象児が通園する園で、担任保育士等(以下、保育者)と連携し、立ち幅跳び、跳び越しぐり、両手握力の測定を実施します。測定はクラス毎に20分程度で行い、子どもたちの負担の少ない運動あそびの中で行います。

4. 調査参加者が被る可能性のある不利益の有無

アンケート調査対象である保護者の皆さまは、育児や家事、仕事等のわずかな合間に回答することが予想されるため、回答期間に2〜3か月の余裕をもって実施します。アンケートは、調査回答に同意した場合にのみ実施します。幼児の生活調査は先行研究でも多く行われており、アンケート調査による心身への負担や刺激等の危険性は少ないと考えられますが、回答中、回答後を含めていつでも回答をやめることができ、また調査回答の撤回ができます。ただし、無記名によるアンケートの場合は、提出後に回答を撤回することができません。
幼児の体力・運動能力測定にあたっては、保育における運動あそびの中で行い、保育者と連携して対象児が楽しく取り組めるように配慮します。測定当日は、対象児の体調や機嫌を保育者と確認し、無理のない場合に限り測定を実施します。測定中においても対象児を継続して観察し、体調や機嫌等に変化がみられ、対象児にとって負担となる可能性がある場合は、測定を中止します。測定前には見本を実演し、簡単な準備運動を実施することによってけがを予防します。

5. 研究結果の公表

調査で得られたデータについては、分析のために園内の保育者と共有することがありますが、その場合は統計処理された集計データのみを提供します。公表の同意を得られたデータについては、個人を特定できる一切の情報を除いて、学会発表あるいは論文として公表します。

6. 研究終了後の調査データの処理

調査のデータについては、調査対象者名等の個人情報を削除し、コンピュータ上で電子ファイル化を行った上で、ハードディスク上に保管します。データを扱うコンピュータにはアンチウイルスソフトを常駐し、ウイルス感染等により外部に調査データが漏洩しないように配慮します。調査データは10年間保有し、不必要になり次第処分します。

7. 個人情報の保護

個人情報は、アンケート調査および体力・運動能力測定、また同じ家庭の保護者同士の対応のために、同意の得られた場合にのみ収集し、パスワード付きの電子ファイル化を行い、記号化して個人が特定できない情報に変換する処置を施します。そして、調査分析が終わり次第、研究者側に残る個人情報は速やかに削除します。また、調査データに含まれる個人情報が外部に漏洩しないよう、コンピュータの使用ソフトウェアには、漏洩の危険性をもたらすものは一切インストールせず、また、アンチウイルスソフトを常住させて、厳正に保管・管理を行います。

8. 自由意思にもとづく調査参加

調査への回答は自由意思であり、アンケート調査前に、その内容について示した上で、調査回答に同意した場合にのみ実施します。その際、調査前、調査中、調査後のいずれにおいても回答を辞退することができ、そのような場合であっても、調査対象者が不利益を被ることはありません。ただし、無記名によるアンケート回答の場合は、提出後に同意を撤回することができません。
幼児の体力・運動能力測定にあたっては、あそびの中で楽しく行えるよう配慮しますが、子どもの自由意思を尊重し、強制はしません。また、子どもの言える意思を必ずしも言葉で表現できるとは限らないため、対象児の体調や機嫌を保育者と確認し、無理のない場合に限り測定を実施します。

9. 研究責任者

鎌倉女子大学児童学部児童学科講師 松尾瑞穂

10. 研究に関する連絡先

〒247-8512 神奈川県鎌倉市大船6-1-3 鎌倉女子大学児童学部児童学科 松尾瑞穂
電話 0467-44-2111(内線6303)

2025年7月1日
鎌倉女子大学 児童学部児童学科 講師 松尾瑞穂